今日の話、ちょっと刺激的なタイトルにしてしまいましたけど、ほんまに大事なことやと思ってるんで、最後まで読んでもらえたら嬉しいです。

まず聞くんですけど、お子さんが「覚えるのが得意」やったら嬉しいですよね。テストで高得点、先生にも褒められる。親として誇らしい。

でも僕、それがちょっと怖いんです。

なんで怖いか、治療家として仕事してきた経験から話させてください。

▼ 子育ての本質的な考え方、無料メルマガで届けています

「痛いとこを揉む」ことの限界

僕ね、徒手療法の世界で11年やってきたんですよ。患者さんが「肩が痛い」「腰が痛い」と来る。で、修業中のころって、痛いとこをとにかく揉む。でも良くならない。

なんで良くならないかというと、痛みの原因は別のところにあるからです。骨盤・背骨のズレが肩や腰に出てるだけで、見えてるとこだけ揉んでも根本は何も変わらんのです。

「エビデンスに出てない痛みで彷徨ってる患者さんが、ほんまにたくさんいる」——これが病院の外に出て、初めて見えてきた景色でした。

暗記型の学習も、まったく同じ構造やなと思うんですよ。テストで良い点が取れる。「学力がある」と見える。でも問題の本質——「考える力」「問いを立てる力」——は、そこには育っていない可能性がある。見えてる「成績」だけ揉んでも、根本は変わらないんです。

暗記が「得意な子」の意外な弱点

「暗記が得意な子」が陥りやすいパターンがあります。

それは、「考える前に答えを探す」癖です。

覚えれば解ける問題が続くと、脳は学習します。「考えるより、思い出せばいい」と。でも、答えが1つじゃない問題——社会に出てからのほとんどの場面——では、この癖が裏目に出ます。

正解が分からない問題に直面したとき、すぐに「分からない」と止まってしまう。「分からないから調べる」へのジャンプが、自分で考えるプロセスを丸ごと飛ばしてしまう。

これ、AIが登場してから、さらに加速してるんですよ。ChatGPTに聞けば秒で答えが出る時代。子どもたちは「考えなくていい」という選択肢が、常に手元にある状態になってる。暗記が得意な子ほど「正解を引き出す」ことに慣れているから、この罠にはまりやすい。

もう一つ、忘れがちなリスクがあって。脳科学の研究では「後で調べればいい」と思った瞬間に、脳はその情報を記憶しようとしなくなる、という現象が確認されています(いわゆる「Google効果」)。AIの普及で、この傾向はさらに加速する可能性がある。

▼ AI時代の子育て、一緒に考えてみませんか?メルマガ登録はこちら

AI時代に「覚える」の価値はどう変わるか

正直に言います。

知識を「覚えている」ことの価値は、相対的に下がり続けてます。

円周率の値も歴史の年号も英文法のルールも、AIに聞けば0.3秒で返ってくる。「覚えてる」という強みが、かつてほど差別化にならない時代になってしまった。

OpenAIとペンシルバニア大学の研究者が発表した論文では、「米国の労働者の約8割が、自らの仕事の少なくとも10%にLLM(大規模言語モデル)の影響を受ける可能性がある」と推計しています。しかも特に影響を受けるのは、これまで「高収入=高スキル」とされていた知識労働。数学者、税理士、作家、ウェブデザイナー、会計士——暗記した知識を正確に運用することで価値を生んでいた仕事が、もっとも大きく揺れる。

じゃあ何に価値が出るか。「その情報を、どう使うか」です。

文部科学省の現行学習指導要領でも、学力は「①知識・技能」「②思考力・判断力・表現力」「③学びに向かう力・人間性」の三本柱で定義されています。①を土台に②③を育てる構造——要は「覚えてるか」だけでなく「考えられるか」「使えるか」に軸足が移ってきてる。

AI時代に本当に必要な3つの力

じゃあ具体的に何が必要かというと、僕は3つやと思ってます。

① 「問いを立てる」力

AIが答えを出してくれるとして、「どんな問いを立てるか」は人間が考えないといけない。「正解を知ってる」より「良い問いを立てられる」ほうが、これからの時代には価値があります。「なんで?」「ほんまにそう?」「別の見方はないか?」という問いを習慣にできる子が、AI時代に強い。

② 「情報を編集する」力

AIが出してきた情報を、ただ受け取るだけでなく、「これは正しいか」「別の情報と組み合わせると何が分かるか」と編集できる力。治療の世界でも同じで、検査データをそのまま信じるんじゃなくて、目の前の患者さんの状態と組み合わせて判断する。この「編集力」は、AIには代替できない人間固有の能力です。

③ 「失敗から学ぶ」力

暗記型の学習は、正解/不正解がはっきりしてる。でも本当の力は、答えのない問題で試行錯誤するなかで育ちます。エラーが出て、なぜ出たか考えて、修正して、また試す。このプロセスが、メタ認知力——「自分の思考を外から見て修正する力」——を育てます。OECD「Education 2030」が提唱する「エージェンシー(主体的に学ぶ力)」の核心も、ここです。

▼ 子育ての「根本」を一緒に考えませんか?無料メルマガ登録はこちら

「考える子」はどうやって育つか

「問いを立てる力」「編集力」「失敗から学ぶ力」——これ、どうやって育てるんですか、ってなりますよね。

実は、特別な教材は要りません。

日常の会話を少しだけ変えるだけで始められます。

やめること:「答えは○○やで」とすぐ教える

始めること:「どう思う?」「なんで?」「ほかに方法はないかな?」と、一つ問い返す

たったこれだけ。でも、これが積み重なると全然違う。

僕が治療の現場で「痛いとこを揉むな、根本を見ろ」と言い続けてきたのと同じで、勉強も「正解を教えるな、考えさせろ」なんですよ。

答えが返ってこなくても大丈夫です。「考えようとした」プロセスが、脳を育てます。子どもに「うーん」と唸らせることが、目的なんです。

もちろん、基礎知識は必要です。「考える材料」がなければ考えられない。掛け算九九も漢字も、インプットは必要。でもそれはゴールじゃなくて「考えるための素材」として位置づける——これが大事なんです。

▼ この考え方をもっと詳しく。無料メルマガで継続的にお届けしています

暗記教育を「否定」したいわけじゃない

ここまで読んで「じゃあ暗記は意味ない?」と思った人もいるかもしれないので、補足します。

僕は暗記を否定してるんじゃないんです。

「暗記を目的にする」ことを問題にしています。

暗記は手段であって目的じゃない。英単語を覚えるのは、英語で伝えたいことを表現するため。公式を覚えるのは、問題を解くための道具として使うため。「覚えた」で止まるか、「覚えたものを使って考える」まで行くか——この差が、AI時代には決定的になってきます。

治療家として「手を磨けば磨くほど人の人生を変えられる」と信じてやってきました。手技を覚えることは大事。でも覚えるだけじゃダメで、目の前の患者さんにどう使うかを考え続ける。これが技術者としての本質やと思ってます。子どもの学力も、同じ構造です。

▼ もっと詳しい子育ての考え方、無料メルマガで配信中。ぜひ受け取ってみてください

今日からできること

子どもの可能性は、覚えた量じゃなくて、問いを立てた数で広がる。そう思ってます。

今日から一つだけ。

子どもに「なんで?」と一回多く聞いてみてください。それだけで、景色が変わってきます。

AI時代は怖くない。「考える力」を育てた子にとっては、チャンスの時代ですから。

▼ もっと詳しい子育ての考え方、無料メルマガで配信中。ぜひ受け取ってみてください